「腰部脊柱管狭窄症で重症だから手術をしましょう」は間違い
こんばんは。お読みいただき、ありがとうございます。
今日のお話は、私が一番お話したいこと。
脊椎の専門病院にしばらく在籍した経験から、「脊柱管狭窄症」についてお話したいと思います。
さて、最近だと健康番組で「腰部脊柱管狭窄症」という言葉も一般的になってきました。
腰が痛くて病院に受診→腰部脊柱管狭窄症
この流れが一般的です。
さて、この脊柱管狭窄症、どのようなもので診断がついているのでしょう。
一般的にはMRIで腰部の水平断を撮影→脊柱管内の神経の絞扼を判断
これが一般的です。ただし、ここに落とし穴。
脊柱管の狭窄度合い≠症状の重さ
しかも、MRIの画像に至っては、「少しでも神経が押されていれば脊柱管狭窄症」となり得ます。だって病名自体が「脊柱管」が「狭窄」しているんですもの。少しでも狭窄していればいいんです。あくまで診断名ですから。
さて、脊柱管狭窄症の場合、「腰痛」だけの場合はほぼ脊柱管の問題はないと思われます。
だって、神経分布的に腰の脊柱管が詰まったことで腰痛になんてなりませんもの。
(詳しく知りたいかたは「ブルンストローム 感覚 分布」などで調べていただくといいと思われます。)
それではどうすればいいのか。
詳しくはまたブログに書かせていただきますが、私は脊柱管狭窄症の捉え方としては以下の基準で考えています。
・下肢の神経症状(痺れや感覚の鈍さ・過敏さ)を伴う
・少し歩くと足が上がりづらくなり、10分以上歩けない
・5分以上立っていられない
・(必ずしも腰痛を伴わない)
気付くとしたらこの4つでしょうか。
色々と専門的にはあるのでしょうが、専門分野でも腰痛や脊柱管狭窄症の捉え方は詳細に解明されていない・・・というか様々な要素が絡み合いすぎて明確に区分できない、という現状だと思います。もちろん論文レベルに落とし込むことは難しいでしょう。(非特異的腰痛が85%ということもありますし。)
脊柱管狭窄症についてはシリーズでやっていく予定です。
療法士の腰痛についての捉え方もそうですが、患者さんとして悩まれている方にも理解していただけると治療の手助けになるんじゃないかな、と考えております。
今日のところはこの辺で。
お読みいただき、ありがとうございました。